「雨樋」の読み方は?雨樋の各部材の名称と役割についてわかりやすく解説!
目次
皆さんは「とゆ」や「とよ」が何を指している言葉かご存知でしょうか?実はどちらも雨樋のことを指す言葉です。
雨樋には呼び方がいくつかあるだけでなく、部材や部位にも様々な名称が存在します。
下記記事では雨樋の形状や素材ごとの特徴を解説しましたが、今回は、そんな雨樋の呼び方や各部の名称・役割について詳しく解説していきます。
屋根や家の形状に応じて様々な部材を組み合わせて構成される雨樋工事では、どの部位のことを言っているのかが分かると、業者や職人さんとの話もスムーズにでき、皆さんの求める工事を依頼しやすくなります。
そもそも雨樋って何?という方は下記をご覧ください。
「雨樋」「とゆ」「とよ」何が違うの!?
業者と話をしている中で、「とゆ」「とよ」という単語を聞いたことがあるでしょうか?上述した通りどちらも雨樋を指す言葉で、意味に違いはありません。
雨樋の「樋」という字は「とい」とは読みますが、「とゆ」「とよ」とは本来読みません。「とい」が濁って「とゆ」になったとも言われてますがなぜ「とよ」なのでしょうか?
大手雨樋メーカーであるデンカ株式会社が扱っている雨樋がトヨ雨どいと呼ばれ、施工業者が「トヨ雨どい」と書かれた看板を設置したことから、トヨ=雨樋というイメージが定着したと言われています。
そのため、扱ってるメーカーや地域、世代によって様々な呼び方をされています。
雨樋の部材の種類と特徴を解説!
雨樋部材にはとてもたくさんの種類があります。
雨樋とひとくくりに言っても、お寺用の雨樋、和風建築に合う雨樋、洋風屋根に合う雨樋など、沢山あります。今回は、一般住宅リフォーム時に多く使用される部材を抜粋してご紹介します。
軒樋(のきとい)
軒樋とは、屋根の軒先に横向きに取り付けられる筒状の部材です。屋根に降った雨水を初めに受け、集水器、竪樋へと雨水を流していく必要があるため、勾配をつけて設置されています。
軒金具(のきかなぐ)
軒金具とは、軒樋を支えるために「鼻隠し」や外壁に設置する部品です。軒金具は様々な住宅の屋根や外壁に合わせられるよう、「打ち込み」「正面打ち」「横打ち」といったタイプがあります。
集水器(しゅうすいき)
集水器とは、軒樋から流れてくる雨水を集めて竪樋へ流すための部材です。雨水と一緒に流れてくる枯葉やゴミが溜まりやすい箇所でもあるので、定期的な清掃を行いましょう。
軒継ぎ手(のきつぎて)
軒継ぎ手とは、軒樋同士をつなげるための部材です。軒樋は住宅の軒先の長さに合わせて何本かをつなぎ合わせる必要があるため、軒継ぎ手に左右から雨樋を差し込む形でつなげていきます。
止まり(とまり)
止まりとは、軒樋の一番端に設置して雨水の流れを止めるための部材です。雨水が流れ出ないよう接着剤でしっかりと設置しなければなりません。
外曲がり、内曲がり(そとまがり、うちまがり)
屋根の角部分にあたる、軒樋の曲がり角に設置する部材を「軒曲がり」と呼びます。屋根の形状に合わせて「内曲がり」と「外曲がり」の2種類を組み合わせます。
竪樋(たてとい)
竪樋とは、屋根から地面に向けて壁面に垂直に取り付けられる筒状の部材です。集められた雨水を地面まで運ぶ役割があります。
竪樋金具(たてといかなぐ)
竪樋金具とは、竪樋を固定するために外壁に打ち付ける金具です。「トンボ」と呼ばれるタイプは、外壁に取り付ける部分がフラットな板状になっていて、釘やビスで固定します。「打ち込み」タイプは「でんでん」と呼ばれることもあり、先端の尖った部分を外壁にそのまま打ち込んで固定します。
エルボ
エルボとは、竪樋の角度を変えるために使われる部材です。L字型をしており、肘の形に似ていることからエルボと呼ばれています。
竪継ぎ手(たてつぎて)
竪継ぎ手は、建物の高さに合わせ竪樋同士をつなげるための部材です。漏れを防ぐため、継ぎ手の上側は配管に被せ、下側は配管に差し込む形でつなげていきます。強風や大雨でも竪樋が破損しないように、接着剤でしっかりと固定します。
寄せマス、角マス(よせます、かくます)
寄せマスとは、2本の竪樋を1本に寄せてまとめるための部材です。
角マスとは、ベランダやバルコニーの雨水を排出するために設置する部材です。排水口部分に設置して、竪樋へつなげます。
這い樋(はいどい)
這い樋とは、下屋根の上に這わせて取り付ける部材です。2階の竪樋から流れてきた雨水を、1階の雨樋まで導く役割を持ちます。風の影響を受けてズレたり飛ばされたりすることがあるので、長さがある際は部分的な固定が必要です。
呼び樋(よびどい)
呼び樋とは、軒樋と竪樋をつなぐための部材です。集水器から竪樋を結ぶように斜めに取り付けられ、壁による支えがないため、丁寧な施工が求められる箇所です。
まとめ
今回は、雨樋部材の名称と役割をご紹介しました。
雨樋修理は、壊れてしまった部分のみ交換工事を行うことが出来るので、部材の名称を知っておけば業者や職人さんへも相談しやすく、より具体的な話を進められます。
見積書に書かれた内訳についても理解でき、より納得した状態で工事に臨むことが出来ます。雨樋は住宅を守る大切な部分なので、基本的な名称や役割を覚え、メンテナンスに役立てましょう。
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