雨樋が一度外れるとまた外れやすくなる!?その理由と対策法を解説
台風が通り過ぎた後や雪溶け後、いつもとは違う箇所に水たまりや泥はねを見つけたら、視線を頭上に向けてみてください。
雨樋が破損していたり、外れていたりしませんか?破損してしまった場合には、新しい部品を使っての補修が必要となりますが、外れているだけなら自分でも直せるのでは?と考える方も多いかもしれません。ですが、慣れない方が修理をすると施工不良により事態を悪化させてしまうケースが多くあります。
今回は、雨樋が外れてしまう原因とその対処方法について、詳しく解説していきます。
雨樋が外れる理由
そもそもなぜ雨樋が当初の位置から外れてしまうのでしょうか?
近年の雨樋の施工方法は接着することを基本としています。部品を増やすことで、熟練の職人でなければ出来ないような加工技術が不要になるからです。その部品を固定し、わずかな水漏れも防ぐ専用の接着剤の改良と登場が接着工法を支えています。
接着剤の用途は2つあります。1つは固定するためのもの。もう一つは水漏れを防ぐためのものです。雨樋が外れてしまうのは、この接着剤での固定ができていないことが原因です。
軒樋の接着不良 その原因と対処方法
軒樋が外れてしまう原因の多くは接着不良です。
接着剤を使う代表的な雨樋は、塩化ビニール樹脂製になります。ここでは住宅の多くに用いられている塩ビの樋、特に山梨では鉄板芯が入った物が軒樋に多く使われているので、そちらを詳しく解説していきます。
雨樋の素材については、こちらで詳しく解説しています。
接着剤が少なくて十分な強度が取れないと、風や雪の重さで外れる事もあります。始めのうちは接着剤の効き目も高いうえに、基本的には見えないところに塗布するので適量の判断が難しいのですが、内側に少しはみ出るぐらいにしっかりと塗布することが重要です。はみ出たら拭き取れば良いので、先ずは強度を確実に得ることが大切です。
最初の接着がしっかりとされていても、経年により問題が出てくる場合もあります。
接着剤と樋は、紫外線などを受け少しずつ劣化していきます。接着剤自体は見えない部分(重なっている部分)に塗布するため、紫外線の影響を受けにくいのですが、相手となる樋自体が紫外線での劣化や熱による変形、鉄板芯の錆による膨張変形の影響を受けるため、そこに塗布されている接着剤も同時に劣化が進んでしまいます。こうして強度不足となった箇所に外的な力が加わると、ずれる、外れるという形になります。
補修方法としては、接着剤が足りていなければきれいに掃除して塗り直せば大丈夫です。しかし、劣化が進んでしまっている場合は、部品を交換して補修が必要になります。
ブリキやガルバリウム鋼板の樋は、接着剤や半田ごてでの接着になりますが、接続方法が部品を用いずに樋同士を直接接合する形になります。この場合の接着剤は、固定というよりは毛細管現象による水漏れを防ぐための止水剤の役割が大きいので、劣化=外れるとはなりにくい樋です。もちろん接着剤の効力が有効であれば樋の寿命も延びる(切り口からの錆が発生しにくい)ので、補修時にも必ず使用します。
その他部材も接着が必要?
軒樋以外の部分に関しては、どうなのでしょうか?
雨樋の各部材については、こちらで詳しく解説しています。
集水器はそもそも固定されていない業者が多いように思います。弊社では集水器下の竪樋が取り外しが可能な場合は 集水器と軒樋を固定してしまいますが、掃除などのメンテナンスを考えて接着されない方もいるようです。集水器を固定していないと風などでスライドしてしまい 集水器の脇から雨水が溢れる可能性が出てきてしまいます。掃除などのメンテナンスは集水器の上からと集水器下の竪樋を外すことで対応できます。
呼び樋といわれる竪樋の一部は、取り外して掃除などのメンテナンスの為あえて固定しない場合があります。条件(集水器が上合といわれる枡型のタイプ、又は水下側が寄せ枡を用いている場合)が合えば固定しない方がよりメリットがあるように思います。
軒樋や竪樋の受け金具・支持金具は、樋そのものとの接着はしないため僅かですが動きます。この遊びは、樋が塩ビ樹脂製、金属製に関わらず、外からの力が加わった際や高温による熱変形による破損を防ぎます。
その他の部分でいえば、地面から出ている雨水処理用のパイプとの接合箇所です。ここは、住宅メーカーによっていくつかの考え方があるようですが、接合しない方が良しとされる場合が多いです。メンテナンスがしやすいようにという事と、塩ビ樹脂製の樋は高温により伸びてしまう性質があり、その変形を防ぐための措置として固定しないこともあります。
まとめ
雨樋が外れたままでは住宅の耐久性低下につながるため、早急に修理を行いましょう。
DIYで修理出来ないこともありませんが、知識不足による施工不良で事態を悪化させることも少なくありません。経年劣化や破損以外の理由で外れてしまった場合でも、安易に固定してしまったりせずに、雨樋の専門業者と相談しながら対処することをおすすめします。
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