コラム

【専門家に聞く】雨樋の取り付け位置はどこがベスト?プロが徹底解説

建物に雨樋を設置する際、正しい位置に雨樋を取り付ける事が非常に重要です。

間違った位置に取り付けると、雨水の排水が十分に出来ず、建物の側面や基礎に水がしみこんだり、下屋根に集中的に雨水が流れ落ちて雨漏りを引き起こす原因にもなりかねません。

今回は、雨樋の取り付け位置について詳しく解説します。

雨樋の取り付け前に確認すべきこととは?

雨樋の取り付け位置

雨樋の取り付け位置を決めるには、まず建物の周囲をよく観察し、水が流れ込む方向や量を確認する必要があります。その上で、雨樋を取り付ける部分には、地面との距離や周囲の装置との位置関係にも注意が必要です。取り付ける場所や状況により、必要な雨樋の形状やサイズが異なってくることもあります。素人では判断が難しいため、雨樋に詳しい専門の業者へ相談しましょう。

雨樋は主に以下のような部材で構成されています。

・軒樋
・集水器
・竪樋

それぞれの正しい取り付け位置について詳しく解説していきます。

雨樋のより詳しい部材や役割については、下記記事で解説していますのでよかったらご覧ください。

「雨樋」の読み方は?雨樋の各部材の名称と役割についてわかりやすく解説!

軒樋の取り付け位置における注意事項は?

雨樋の軒樋

軒樋は屋根の縁に沿って取り付けられ、屋根から流れてくる雨水を最初に受け止める部材です。

一般的に、屋根の軒先部分から10~20cm程度の位置に軒樋を取り付けることが多いです。屋根の形や勾配によって、雨水の流れてくる勢いや量も変わってくるので、それを計算した上で雨水をしっかりと受け止められる位置に設置する必要があります。

また、屋根から流れてきた雨水を集水器、竪樋へとスムーズに排水するために、軒樋には勾配が必要になります。雨樋の勾配については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【雨樋】建物において雨水排水に欠かせない雨樋と勾配の関係とは?

軒樋の位置は、軒樋を固定するための軒金具の位置で決まります。軒金具は「鼻隠し」や「垂木」と呼ばれる部分にしっかりと固定し、樋を支えます。鼻隠しとは、屋根の軒先の下に設置されている板材、垂木とは屋根を支える木材です。建物の構造上、垂木と鼻隠しに雨樋を取り付けるスペースがないこともあるため、あらかじめ確認が必要です。

集水器の取り付け位置における注意事項は?

雨樋の集水器

集水器とは、軒樋から流れてくる雨水を集めて竪樋へ流すための部材です。

雨樋に集水器を取り付ける際は、まず落とし口の数と位置を決めます。落とし口の数は、雨量や雨樋の排水能力を計算して割り出すのが一般的です。落とし口の位置は、集水器からつながる竪樋の取り付け位置とも関係するので、屋根のコーナー付近で壁面に竪樋金具が設置できる場所に定めます。雨戸や庇、ベランダなどがあると設置の邪魔になるので、これらのすぐ近くへの設置は避けた方が良いでしょう。

軒樋と集水器が重なる部分をカットし、集水器の中に左右の軒樋が入るようにセットし固定します。

竪樋の取り付け位置における注意事項は?

雨樋の竪樋

竪樋とは、軒樋から集水器へ流れてきた雨水を地面まで送り、排水するための部材です。

そのため、竪樋は排水先を考えて取り付ける必要があります。雨樋の水は適切な排水処理をしなければ、地面に垂れ流しになり、庭のぬかるみやコンクリートの傷みや変色などにつながります。

竪樋を設置する理想の位置は、屋根の端から出の部分程度内側の位置が最適です。この位置に設置することで、雨水が建物の外側に流れ落ち、建物にダメージを与えることなく排出されます。

竪樋は屋根から地面に向けてまっすぐに、外壁に添うように取り付け、「エルボ」などのパーツを組み合わせて集水器とつなぎます。竪樋も外壁に打ちつけた金具によって固定します。

また、竪樋はなるべく目立たせないように設置するのが一般的です。外壁の色に合わせたり、取り付け位置を工夫することで、住宅の外観にも配慮して取り付けることをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、雨樋の最適な取り付け位置をご紹介しました。

大切な住まいを雨から守り快適な住環境を維持するためには、雨樋を正しく設置し、雨水を確実に排水しなければなりません。また、屋根や外壁には障害物も多いため、どのようなルートで雨樋をつなぐか、設置前にあらかじめ想定しておく必要があります。しかし、建物の高さや屋根の形状、雨量等によっても最適な取り付け位置が異なり、判断が難しい部分もありますので、雨樋の設置については専門業者に相談することをおすすめします。


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